覚えてますか
教室の 一番後ろ さびしげな場所
いつからだろう 私はいました 誰にも見えず 一人で
覚えています
教室の 窓際の席 退屈そうに
後ろを向いた あなたはなぜか 不思議そうな顔で 笑った
桜舞い落ちる 坂道を駆け下りてゆく
私の足音に あなたが気づいたら
あのね
ずっと忘れない はじめて恋をしたあの季節 そっとかいだ桜の匂い
春夏秋冬
教室で あなたの日々を 眺め続けた
時々 そっと あなたが 振り向く
私も そっと 手を振って 笑った
桜舞い落ちる 校門をくぐって いった
遠ざかるあなたの 背中に 呼びかけた
あのね
ずっと ありがとう 涙にかすむ思い出に
卒業おめでとう
あなたへと届けたい詩
舞い散る花ビラに たくして未来へと
あのね
いつか めぐりあう 新しい季節を信じ 私もゆくね
ゴーストグラデュエーション
ひらり 桜のように