春の日小指が影に溶けたなら
夜風はあわてて虫の音(ね)を運ぶ
噫、夏が来る
あなたからわたしのもとへ
袖無の襯衣(シャツ) 腕通し浮べる花火
こいこい早く
秋の日睫毛が雨に濡れたなら
木の葉の迷子は動かずだまる
噫、冬が来る
あなたからわたしのもとへ
緑の外套(コート) 頬寄せて踊らせる雪
こいこい早く
噫、忙(せわ)しなくさよならね
淋しいからそっと確かめさせて
また逢える?
直ぐ逢える?
ずっと繰り返して居たい