新訂尋常小学唱歌(しんていじんじょうしょうがくしょうか)は、1932年に文部省が発行した、唱歌の教科書である。
第一学年用から第六学年用まで全6冊で1冊の収録曲は27曲である。1910年代に発行された『尋常小学唱歌』の中から評判の悪い曲を削り、「ラジオ」、「動物園」など社会の進展に合わせた曲を追加した。一部には軍国主義、超国家主義の時流に合わせたと言われているが変更内容を見る限りその色彩は薄い。新しい曲の作詞は井上赳、作曲は信時潔などが担当した。新しく作曲された曲は『尋常小学唱歌』の頃とは異なり、合議制ではなく個々の作者がそれぞれ別々の曲をつくった。全体的に部分的な改訂だったが伴奏譜付きの教材が初めて出版されたのは画期的であった。「牧場の朝」などは現代でも教えられている。