空洞です。このアルバムは、質のいい曲を、ただ単に一つのdiscに収めただけではない、と思います。
今までだと、例えば「発光体だけ」「ズックにロックだけ」「ラメパンだけ」、というような聞き方もできました。
『空洞です』はそれができません。まさにアルバム自体が、たった1つのトンネルです。入り口は一つ。出口も一つ。
入り口から入ったら、あとはもう出口から出るしかないのです。
トンネルの中は、生暖かい風が…。癒されもせず、傷つきもせず。ただ抵抗することもなく音にやられるのみ。
CDを聞く。1回目、過去の歴史にとらわれない大胆なアプローチにびっくりして、2回目、具体的にどこがいいのかな?と思い、3回目、変な曲たちだなあ、と思っている間に4回目を聞いてしまうのです。
昨今の、i podに代表される、曲単位での視聴スタイル。
『そこそこいい曲』の切り売り。着うた。アルバムの売れなくなった日本。
あなたは『たった一度きり、再生ボタンを押せばいい』のです。押せばもう、空洞です。
2、3回聞けば、もう中毒です。トンネルの出口は、入り口につながっているんです。
なんちゃって (By gelbeatz (東京) )