バンドサウンドの土台は、おそらくメタルやハードコアである。それもかなりの演奏力だ。だが、彼らは世界観が違う。そういった小さなカテゴリーに収まりきれないのだ。それを決定づけているのは、歌詞とVo.である。
Vo.が平凡だという指摘は、従来のカテゴライズからすると、メタルやハードコアのような力強さや艶に欠けるということだろう。そういう見方も出来る。だが、厚い音量に、淡々とそっけない口調でシニカルな言葉が乗っかる事によって、新しい個性を現出している。
ハードコア系の性急さでゴリゴリ迫る1「Psychopolis」12「Punishment」で、初めと終わりをまとめ、バンドサウンドの中心軸を定めている。しかし、キッチリまとめた10曲目「Termination」は、一世を風靡したビジュアル系バンドを髣髴とさせる。
9「Heart-Shaped Gear」は、偉大なるBoowyの再来かと思う出来。カッチリしたリフで完結した5「砂の惑星」は、オルタナティブ風もできちゃいますよ、とでもいう名曲。
器用というのではない。潜在能力があまりにも大きいのだ。まだどれかに一本化しないで、このまま色々やってみてほしい。 (By ドクトルg (新潟県) )